村八分にされた不遇の娘は神様の子供を授かり溺愛される

そう言って力を込めて抱えられると、もう抵抗する気力もなくなった。

ただ顔を真赤にしてされるがままだ。
「春、夏、布団をひいてくれ」
「はぁい!」

陽神に言われてふたりが慌ただしく寝室へと向かう。
「わ、私ひとりでも歩けます」

「ダメだ。今日はもう動いちゃいけない。これは神の命令だ」

絶対に逆らえないような命令をくだされた葵はお姫様抱っこのままで寝室へと運ばれ、やさしく布団に降ろされた。

「なにか欲しいものはないか? お腹は減っていないか?」
「大丈夫です」
顔を真っ赤にして左右に首をふる。

「そうか。ではなにかあればすぐ言うんだぞ? ワタシはすぐ近くにいるからな」
陽神はそう言うと部屋の隅へと移動して書物を読み始めた。

陽神は葵の妊娠を喜んでくれるだろうとは思っていた。
けれどまさかここまでとは。

書物へ視線を落としながらも何度もこちらを気にしているのがわかる。