村八分にされた不遇の娘は神様の子供を授かり溺愛される

そして1度家に戻って両親の看病をし、また餅を作って陽神へと向かうのだった。

「お願いします、お助けください」
頭を地面にこすりつけるようにして懇願する葵を見ている者はどこにもいない。

いないはずだったけれど、朝葵がお供えしていた餅がなくなっていた。

だけど葵はそれに気が付かないまま、ただ必死に頭を下げ続けた。

石段は村人が作ったもので、素人仕事のため段差がバラバラだった。

その上距離が長いため、何度上がってもなれることはなかった。
「きゃっ!」

今日も葵は石段で躓いて膝を擦りむいた。
何度も何度も同じ場所をケガしているため、皮膚が固くなり始めている。

「葵ちゃん?」

後ろから声をかけられて、それが舞だと葵はすぐに気がついた。

長く寺子屋で一緒に勉強していたから、振り向かなくても声でわかる。

「舞ちゃん」
「葵ちゃん大丈夫?」