村八分にされた不遇の娘は神様の子供を授かり溺愛される

「じゃあ、行ってくるといい」
陽神がそう言った次の瞬間だった。

今まで見ていた本殿が急に光に包まれたかと思うと、周囲に犬の鳴き声や虫の声が広がった。

何事かと確認してみれば、葵たち3人は石段の下にいることに気がついた。
「こ、これは……?」

「石段の下までは陽神の領域だからね、簡単に移動することができるんだ」

夏がまるで自分のことのように胸を張って自慢する。
「すごい……」

これなら長い石段を下る必要はなかったわけだ。
半分ホッとしつつ、ここからの道のりが長いのだと気合を入れ直す。

「それじゃ、ふたりとも行こうか」

葵は風呂敷包みを抱きしめるようにして胸に抱えて、歩き出したのだった。

☆☆☆

もち米屋へと向かう道中、畑や田んぼに出ている村人たちが葵とふたりの子供を見つけては怪訝そうな顔つきになった。