村八分にされた不遇の娘は神様の子供を授かり溺愛される

「村へ?」
陽神が顔をしかめて聞き返す。
あまり快く思っていないみたいだ。

「はい。結婚してから村へは1度も行っていませんし、女将さんの様子だけでも見てきたいのです」
「そうか。でも村はまだ危ないかもしれない」

陽神はやはり渋っているようだ。
最愛の葵を村八分にして死に追いやったのだから、そう簡単に許せるはずもない。

本来なら、神の力を使って村を破滅させてしまうところだったのだから。
だけど、葵は自分が助けることができた。

だからこうして力を押さえているのだった。
「お願いします! 今回だけでいいんです」
葵は額を畳にこすりつけて懇願した。

自分が窮地に立たされていたとき優しくしてくれたのは女将さんだけだった。

もち米を売ることができないといいながらも、少しばかりのもち米をもたせてくれた。

女将さんの気持ちは葵に十分伝わってきていたから。
「わかった」