「いただきます」

 二人同時に合掌し、互いに頭を下げる。

 鷹士さんはスプーンを使って、ハンバーグの身を崩す。
 ふうふうと息を吹きかけて、まずは単体での味を見るようだ。

 ドキドキしながら、鷹士さんの様子を伺う。
 彼は目を見開いて、口に含んだまま言ってくれる。

「んまっ」

 ほっとした。
 お母さん、ありがとう。
 私も安心してスプーンを取り上げる。

「おいしー!」

 控え目に言っても、最の高。
 鷹士さんがウキウキした調子で言う。

「これ、我が家の定番メニューにしたいな」

 ……『我が家』?
 甘いものが体の裡側に生まれてくる。

「そうだな、一週間に一度。……は、おねだりしすぎか。二週間に一回。……いや、十日に一回……」

 鷹士さんは私をドギマギさせたことに気づいてないらしく、ローテーションの間隔を真剣に考えている。