真っ赤になっているであろう顔を隠そうとしながら抗議すれば、ぽぽぽと彼の顔が紅くなった。

「セックスは初めてだとは思ってたけど。初めてのキスも俺?」

 やっぱりエッチしたことないの、バレバレだったんだ……。
 無我夢中だったから切れ切れの記憶しかない。
 たぶん、ガチガチに固まってただろうし。
 恥ずかしい。
 照れ隠しに叫んでしまう。

「そうですよっ」

 それがなにか。
 上目遣いで睨んだのに、なぜか破顔されてしまう。

「嬉しい」

 ぎゅううう、と抱きしめられた。

「全部、俺か」

 幸せそうな声を出されてしまっては、それ以上ふて腐れていられない。

「大事にする。……今は可能な限り、だけど」
「え?」

 ぐるんと視界が回る。
 見上げると、天井を遮るようにして鷹士さんが私を見下ろしている。
 愛おしさが溢れたような双眸から目が離せない。

「愛している」

 幸せを噛み締めていると、彼の唇が降りてきた。