鷹士さんは職務を全うしてくれた(・・・・・・・・・・)
 駐車場は早足だった。

 エレベーターは互いに目を合わせず無言。
 彼の家があるフロアへ到着し、エレベーターの扉が開いた途端、再び早足。

 鷹士さんはいささか荒っぽく玄関ドアの開錠をした。

 近さと安全面で選んだらしく、入り口はもちろんエレベーターにもカードキーと暗証番号ボタンが必要だ。
 暗証番号とカードキーが揃わないと開かない仕組み。

「今日ほど、セキュリティのしっかりした家だったことを恨んだ日はないな」 

 鷹士さんの、苦笑しつつも焦りの混ざる声に私はただ頷くだけ。
 私の体には放すまいとしているように、彼の腕がしっかり巻きついている。

 ドアが開いた。
 カチリ、という施錠の音が先か、キスが先だったか。
 私達は玄関でしっかりと抱き合っていた。
 カバンが肩から滑り落ちたけれど、気にしてなんかいられない。

「ん……、は……」

 いきなりのディープキス。
 私の口の中を彼の分厚い舌に翻弄されてしまう。
 同時に鷹士さんの手が私の体中を這い回る。
 彼の太ももが私の足の間に差し入れられた。

「あ……、ふ、ぅん……」

 足りない。