女性たちはどんよりした雰囲気でこの店の中に入って来た。表面上だけ仲良しな雰囲気で、ふたりの間には大きな壁があるようにも感じていた。だけどここで過ごした今は、まるで魔法がかかったかのように――いや、今魔法の中にいるのか。カフェに入ってきた時よりも、明るい雰囲気に変化していた。
そういえば、そろそろ棚にストックしてあるコーヒー豆がなくなりそうだったな――。
「剛さん、コーヒー豆そろそろ買ってきますか?」
柊は食器を整理していた剛に問う。
「あぁ、お願いしよっかな。他にも生クリームとか……頼みたいものがあるから、あとでメモして渡すね」
「分かりました」
「あ、そうそう、今後、オシャレな食器を増やそうと思うんだけど、選んでみる?」
「僕なんかが選んでもいいんですか?」
「いいよ、柊はセンスあると思うし。選ぶの楽しいから。やってみな?」
柊はセンスを褒められると、嬉しくて気持ちが高ぶってきた。
――このカフェの食器が、僕の選んだやつになる。選んだ皿に料理が盛られて、客のテーブルの上に並べられるのか。カフェに合う、いいデザインのを選ばないとだな。雪模様なんてどうだろうか……選ぶ時は、剛さんからアドバイス貰いながら選ぼうか。
柊は、「やります」と宣言すると、剛は笑顔でこくんと頷いた。
柊は客の様子をちらりと見る。そして充足感を感じながら、コーヒーをカップに注いだ。甘さと苦味のある香りが立ち込める。客の元へ届けるとカウンターに戻り、剛の横に立った。
「今日も、シマエナガカフェが役に立ちましたね」
「役に立つ、か」
剛は、春風のような微笑みを柊に見せた。
☆。.:*・゜
そういえば、そろそろ棚にストックしてあるコーヒー豆がなくなりそうだったな――。
「剛さん、コーヒー豆そろそろ買ってきますか?」
柊は食器を整理していた剛に問う。
「あぁ、お願いしよっかな。他にも生クリームとか……頼みたいものがあるから、あとでメモして渡すね」
「分かりました」
「あ、そうそう、今後、オシャレな食器を増やそうと思うんだけど、選んでみる?」
「僕なんかが選んでもいいんですか?」
「いいよ、柊はセンスあると思うし。選ぶの楽しいから。やってみな?」
柊はセンスを褒められると、嬉しくて気持ちが高ぶってきた。
――このカフェの食器が、僕の選んだやつになる。選んだ皿に料理が盛られて、客のテーブルの上に並べられるのか。カフェに合う、いいデザインのを選ばないとだな。雪模様なんてどうだろうか……選ぶ時は、剛さんからアドバイス貰いながら選ぼうか。
柊は、「やります」と宣言すると、剛は笑顔でこくんと頷いた。
柊は客の様子をちらりと見る。そして充足感を感じながら、コーヒーをカップに注いだ。甘さと苦味のある香りが立ち込める。客の元へ届けるとカウンターに戻り、剛の横に立った。
「今日も、シマエナガカフェが役に立ちましたね」
「役に立つ、か」
剛は、春風のような微笑みを柊に見せた。
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