カランと再びドアの音がなる。相楽奈津美の娘、優里が入ってきた。中野と奈津美の、ここでの会話の中では優里はまだ赤ん坊だったが、実際かなり成長している。柊と同じ歳だった。
「いらっしゃいま……あっ」
「あっ」
柊と優里は同時に、はっとした。
「お久しぶりだね」と、優里が柊に声を掛けると「うん、久しぶり」と、瞳を小刻みに揺らしながら柊は答えた。
「私たち、離れたところに住んでるわけじゃないのに、中学卒業してからは全く会わなかったよね」
ふたりは幼稚園からの同級生だった。小中同じ学校で、高校は別々のところへ。
――実はスーパーですれ違ったことがあるのに、気づかれなかったことはある。その時は一方的に話しかけようか、ずっと店内で考えていたな。
その言葉は呑み込み「そうだね」と、笑顔を返した。
「優里ちゃんのお母さん、あっちの席にいるよ」
柊は平然を装いながら奈津美を指さす。軽く微笑み、柊に会釈をした優里はそこに向かう。
「いらっしゃいま……あっ」
「あっ」
柊と優里は同時に、はっとした。
「お久しぶりだね」と、優里が柊に声を掛けると「うん、久しぶり」と、瞳を小刻みに揺らしながら柊は答えた。
「私たち、離れたところに住んでるわけじゃないのに、中学卒業してからは全く会わなかったよね」
ふたりは幼稚園からの同級生だった。小中同じ学校で、高校は別々のところへ。
――実はスーパーですれ違ったことがあるのに、気づかれなかったことはある。その時は一方的に話しかけようか、ずっと店内で考えていたな。
その言葉は呑み込み「そうだね」と、笑顔を返した。
「優里ちゃんのお母さん、あっちの席にいるよ」
柊は平然を装いながら奈津美を指さす。軽く微笑み、柊に会釈をした優里はそこに向かう。



