整形ストーカー

あまり興味がないのか、雪菜は首を傾げている。
雪菜にとってはとにかく束縛の激しい両親への反発心ばかりが強いみたいだ。

「お金持ちのお嬢様だから自由が少ないんじゃない？」
「お嬢様なんて、そんなことないし」
と、ふくれっ面になってしまった。

それにしてもよく食べる。
私はもうお腹いっぱいだけれど雪菜はまたおかわりを取りに行ってしまった。

「雪菜はどうして看護師になりたかったの？」

「う～ん、やっぱり両親への反発かなぁ。黙ってたら進路も全部決められちゃうんだもん。それなら自分で決めて、ついでに家を出ちゃおうと思って」

つまり、看護師を選択したことに深い意味はないようだ。
ここへ来る人たちの中にも理由は様々ありそうだ。

「すごい行動力だね。それだけできるなら、きっとなんでもできるよ」
本心からそう言うと雪菜は照れたように笑って「えぇ、そうかなぁ？」と、頭をかいたのだった。