整形ストーカー

声をかけてくれたのは背が高いショートカットの女の子だ。
年齢は私と同じくらいだろうか。

立ち上がるとガッシリとした体型であることがわかる。
「ウチ、重林雪菜。よろしくね」

差し出された手を握りしめるとゴツゴツしていてちょっと男っぽい。
性格もサバサバしていそうだ。

自分のことを『ウチ』と呼ぶということは関西方面から来たのかもしれない。
「よろしく」
私は笑顔でそう言い、雪菜の隣に座ったのだった。

☆☆☆

寮で最初に声をかけてきてくれた雪菜は、私と同じ看護師の資格を取るためにここへ来た生徒だった。
年齢はひとつ下の１８歳。

雪菜の地元にも看護師の資格を取れる学校はあったけれど、両親からの束縛が激しくてここへ逃げてきたらしい。

「ほんっとにすごいんだから。ウチの親ってなんでもかんでも自分のいいなりにしようとするんだから」
バイキング形式の夕飯時、雪菜はご飯を山盛り茶碗によそいなが言った。