整形ストーカー

パンフレットを開いて問題のページを見せると、そこには3年前に改装されたばかりのキレイな建物が写っている。

訓練校から徒歩5分のところにあるらしく、もちろん男女別棟で、在中している職員さんもいるらしい。

3食寮内の食堂で食べることもできるし、なにも不便はないはずだ。
「ここでなにを習いたいんだ?」

「看護師の資格を取りたいの」
地元では3年間通うことでナースキャップをもらうことのできる高校もあるのだけれど、さすがに高校に入り直すような勇気はなかった。

だけどあの事件後通院する日々を繰り返すうちに、段々と自分のやりたいことが見えてきたのだ。
「千尋はお母さんの仕事にも興味を示してたもんなぁ。どう思う」

お父さんがお母さんへパンフレットを押し出す。
お母さんは「とにかくやってみればいいんじゃない?」と、パンフレットはあまり見ずに答えた。

「やらない後悔よりもやって失敗する後悔よ!」