柚柚は青いシートを用意すると、それをシャワー室の前に引いた。
そして半透明のビニールシートをシャワー室の入り口付近の壁沿いに、天井から吊り下げていく。
「これでどうするの?」

わけもわからずに手伝いながら梨里が質問してくる。

その頃にはもう大方準備は整っていた。
「梨里が言ったんだよ? 家族が死ねば勉強ができなくなるって」
柚柚はそう言って小型のチェンソーを取り出した。

それは女性でも扱いやすいと評判の商品で、少し前までDIYにはまっていた双子の私物だった。
「まさか柚柚……」

ここにきてようやく柚柚のやろうとしていることを理解して、梨里の顔が青ざめた。