彩香が心配してそう聞いても、ふたり揃って「別になにもないよ」と答えるばかりだった。
そしてようやく教室へ到着したとき、すでに登校してきている愛乃の姿を見つけて柚柚と梨里が顔を見合わせた。
なにげないフリをして愛乃の横を通り過ぎると、その目が赤く充血しているのが見えた。
「愛乃ちゃん、泣いてたの? どうしたの?」
愛乃と仲のいい友達が声をかけている。
すると愛乃は体を震わせて「昨日シロがいなくなったの」と、答えた。
その声は涙に濡れていて、散々泣いた後なのにまた泣き出してしまいそうな雰囲気があった。
「シロって飼い犬の?」
そしてようやく教室へ到着したとき、すでに登校してきている愛乃の姿を見つけて柚柚と梨里が顔を見合わせた。
なにげないフリをして愛乃の横を通り過ぎると、その目が赤く充血しているのが見えた。
「愛乃ちゃん、泣いてたの? どうしたの?」
愛乃と仲のいい友達が声をかけている。
すると愛乃は体を震わせて「昨日シロがいなくなったの」と、答えた。
その声は涙に濡れていて、散々泣いた後なのにまた泣き出してしまいそうな雰囲気があった。
「シロって飼い犬の?」



