恐怖姉妹

大きな窓からは朝日が差し込んできているけれど、学校へ行く準備を始めるにはまだ早い時間だ。
「あぁ……犬がいるんだっけ」

足音の正体を思い出した柚柚は目をこすりながら大きなベッドの上に上半身を起こす。
ベッドに近くまでやってきたシロが大人しくおすわりをして柚柚を見上げていた。

赤い首輪には銀色のネームプレートが揺れていて、シロと刻まれている。
「安っぽい首輪ね」

柚柚の嫌味の意味もわからず、シロは自分が話しかけられたことがうれしくてシッポを左右に揺らした。

そして小さな声でキャンッと一声鳴くと、隣のベッドで眠っていた梨里も目を覚ました。
「そういえばシロに餌を上げないといけないね」