恐怖姉妹

できる。
できるよふたりなら。

呪文のように口の中で唱えてふたりはそっと小さな庭へと足を踏み入れたのだった。

☆☆☆

「この犬ほんと臭いんだけど」
「しばらくの我慢だよ」

屋敷にはいくつもの部屋があったけれど、柚柚と梨里のふたりは一つの部屋を共有していた。
とはいえその部屋もかなりの広さがあるので、二人分の家具や荷物があっても十分な広さが確保されていた。

おまけにトイレとシャワールームも完備されている。

屋敷に犬を持って入るときはさすがにドキドキした。
なにしろ今までペットを飼った経験はなかったし、シロは見ての通り野良犬みたいに汚かったから。