恐怖姉妹

「それはそうだろうけれど、どうするの?」
今更愛乃が勉強を怠るとは思えない。

ここら先は受験に向けて更に追い込んでくるはずだ。
柚柚はニヤリと笑って小屋の中にいるシロへ視線を向けた。

散歩して疲れたのか、大人しく目を閉じている。
「愛乃はあの汚い犬のことを可愛がってたよね。あの犬がいなくなったら勉強できなくなるってことはないかな?」

その提案に梨里は目を輝かせた。
「柚柚、それすごくいいアイデアだよ!」

なにも無理やり弱点を見つける必要なんてない。
相手の大切なものを奪ってしまえばいいだけだった。

こんなに簡単なことってない!
「梨里、私達ならできるよね?」
「柚柚、もちろんできるよ」