恐怖姉妹

愛乃にも勝ち、学年でもダントツトップだったのに、出題の仕方がおかしいと教室内でキレた。
そしてしばらく手がつけられなくなったことがある。

だけどこうして梨里が先に発言することによって、その間柚柚は頭を冷やす時間を設けることができるのだ。

「いや、さっき職員会議で決まったことなんだよ。先生も、どっちかひとりを選ぶのは難しかったんだけどな、日頃の生活態度とか活動とか、そうので判断したんだ」

つまりそれは愛乃のほうが学校活動に貢献する生徒だったということだ。
成績の問題じゃない。

そう思って梨里は少しだけ安心した。
柚柚へ視線を向けると、柚柚もなんとなく納得した様子で視線を落している。