恐怖姉妹

「違うの! 私達そんなことしてない!」
どれだけふたりが叫んでも、もう聞いてくれる人はいない。

父親母親ですら、蔑みの表情を浮かべている。
「他にも沢山の悪事をしてきたことを知ってる。今家に警察も来ているよ」

父親の静かな声が闇夜の中に響き渡る。
誰もなにも言わなかった。

クラスメートたちですら、かたずを飲んで次の言葉を待っている。
「お前達ふたりはちゃんと更生してもらわないと困るんだ。いくらなんでも、面倒見きれない」

それはふたりにとって死を意味する言葉だった。
できない。
ふたりいるのに、なんでできないの?

お腹の中にいるときから、私達は失敗していたから?