この膜の内側にいる人数がもう少し少なければ、私ひとりならばこんな不安を感じることだってなかったのに。
「それなら減らしちゃえば?」

隣にいる子がそう言ってクスクス声を上げて笑った。
「減らす?」

「そうだよ、減らすの」
膜の内側でふよふよと漂いながら、その子がなにかを握りしめた。

それはよれよれの紐のようなもので、片方はどこか奥の方へとつながっている。
「そんなことできるの?」

「できるよ」
即答されたけれど、その自信はどこから湧いてくるだろう。

呆れながらもその子について行けばなにか楽しいことが待ち受けているような気がした。
「わかった。できるんだね?」

「そう。できるよ、ふたりなら」