レイナが話せる状態になったらわかる限りのことを聞き出して、犯人を問い詰めるつもりでいた。
あんなことをする卑劣なヤツがのうのうと生きているなんて許せない。

「どこにいるんだ?」
空き地にたどり着いた怜は周囲を見回して首をかしげた。

空き地には背の高い雑草が茂っていて、なにも見えない。
しゃがんでしまえばその姿は完全に隠れてしまうだろう。

だけど、これから告白するのに隠れている必要はないから、彩香はまだここに来ていないのだろう。
「早く帰りたいのに」

一分一秒でも早くレイナの元へ行きたくてウズウズしている。
早くレイナを抱きしめて大丈夫だと慰めてやりたい。