ふたりが悪事を働く時にほとんど直接手を下さないことに気が付いているかもしれない。
そうなったとき、一番最初に怪しまれるのはふたりと仲のいい彩香の存在だった。

「次は怜だよね?」
梨里が聞くと柚柚はうなづく。
自分たちの秘密を握る危うい存在。

そんな存在は今すぐに消してしまわなければならない。
「できるよね?」
「もちろんだよ」

できる、できるよ、ふたりなら。
歌うように囁き合う声がトイレの中に静かにこだましていた。