その後怜が何度もレイナに電話やメッセージを入れたけれど、一度も返事が来なかったという。
「当然の結果だよね。あの女」

「だよね。だって相当ウザかったし」
柚柚と梨里はトイレで手を洗いながら呟いた。

そして同時に鏡越しに互いの顔を見つめて、ニヤリと笑う。
「うまく行ったね」

「本当だよね！」
そう言って大声で笑い出す。

「怜も彩香はノーマークだったんだね。それも想像通り！」
「だけど早く次の段階を考えないと、今度は彩香を怪しみ始めるかもしれないよ」

柚柚の言葉に梨里が笑顔を消した。
怜は思っていた以上に勘が鋭いタイプだ。