「なんか俺興奮してきた」
男子からはそんな声しか聞こえてこない。

そしてそれを聞いた女子生徒からは「最低」「やっぱり淫乱なんだ」「整形とかたくさんの男と付き合ってるって噂も本当だったんじゃない?」と嫌悪する声が聞こえてくる。

誰ひとりとしてレイナを擁護しようとはしなかった。
そしてついに怜が教室に入ってきた。

みんなの視線が一気に怜へと向けられる。
男子からは好奇に満ちた視線を、女子からは軽蔑するような視線を受けて入り口の前で立ち止まる。

「なんだよ? どうかしたか?」
言いながら一歩教室へ踏み込んだとき、ようやく事態を把握したようで大きく息を吸い込んだ。

「なんだよこれ!」