「ほら、彩香ちゃんも胸張って」
グイッと背中を押されて彩香の頬がほんのりと赤く染まる。

「えへへ。私もレイナちゃんみたいになれるかな？」
「誰だってなれるよ！」

レイナはそう言って微笑んだのだった。
照れ笑いを浮かべていた彩香だけれどレイナのようになりたいなんて本気で思っているわけじゃなかった。

色気ムンムンで男を寄せ付けるようなタイプは好きじゃない。
だから今回は双子からお金なんてもらわなくても手伝うつもりでいた。

ただ、もらえるものならもらっておけと思っただけだった。
「はい、ちゃんと撮れたよ」

その日の放課後、３人で並んで歩きながら彩香がスマホを取り出した。