恐怖姉妹

あの1件があっていらい、レイナは今まで以上に見せびらかすように怜にベタベタするようになった。
時折視線が合ったときには勝ち誇った笑みを浮かべさえする。

怜が完全に自分のものになったと思っているのだろう。
あの女の顔を思い出すとどうしてもふたりの腸は煮えくり返る。

「あれ? ふたりとも青い顔してどうしたの?」
後ろから声をかけられて振り向くと、知らない間に彩香が入ってきていた。

白いハンカチを手にふたりを見つめている。
「ちょっと、考え事」

「まぁた悪巧み?」
彩香が元気な声で笑う。
それを聞いてふたりが目を見交わせた。