「私のこれも彩香にあげる」
柚柚が要点をまとめたノートを彩香に渡す。

お弁当とノートを両手に抱えて彩香は困ったように眉を下げた。
「ねぇふたりとも、ちょっと落ち着いたら?」

だけどそんな彩香の声はもうふたりには聞こえていなかった。
「ねぇ梨里」
「ねぇ柚柚」

「わたしたちふたりなら」
「できるよね?」

できる、できるよふたりなら。
ふたりは目を見交わせてニヤァとほほえみあったのだった。