恐怖姉妹

「もしかして宿題を忘れたの? 私のを写してもいいよ?」
満面の笑顔を向けてノートを差し出すと、怜の目が輝いた。

「いいのか?」
「もちろん。怜は私の命の恩人だもの。これくらいどうってことないよ」

「助かるよ、柚柚のノートなら安心して写せる。ありがとう」
ノートを受け取った怜はクシュッと顔を歪ませて微笑んだ。

その顔が可愛くてドキッとする。
自分の席へと戻る途中で梨里と視線がぶつかって睨まれたから、ほほえみ返しておいた。

「昨日のお礼にお弁当を作ってきたの。よかったら食べてくれない?」
梨里だって負けてはいない。

昼休憩時間になると同時に怜の元へかけよって、手作り弁当を差し出したのだ。