恐怖姉妹

「さっきから一問も解けてないじゃん」
机の上に開きっぱなしになっている問題集を見て梨里が言う。

「あぁ、うん。そうだね」
柚柚はそれでも上の空だ。

そんな柚柚を見て梨里はニヤリと笑った。
「もしかして、怜のこと好きになった?」
「な、なにいってるの? そんなわけないじゃん!」

否定している柚柚の顔は耳まで真っ赤だ。
「わかるよ柚柚の気持ち。まるでヒーローだったよね」

ひとりを助けるだけでもすごいのに、怜はふたりとも助けてくれた。

その時に梨里の心臓もドクンッと大きく跳ね上がってしまった。
柚柚が梨里をジッと見つめる。

ふたごだから、なにを聞きたいのか手にとるようにわかった。