恐怖姉妹

今日はついに男女混合でバスケ試合をする日だった。
男子と女子が半々で入り混じって対決するバスケは普段よりも白熱した空気が流れている。

その中でもひときわ動き回っているのは梨里だった。
額から汗を流しながらもボールをサバく手付きに何度も歓声が湧き上がる。

拓真のいないコート内で自由に走り回る梨里は終始笑顔だった。
「さすが梨里! 男女混合でもめっちゃ点入れてたね!」

試合終了のホイッスルが鳴ったときには敵チームの子たちもみんな梨里を取り囲んでいた。
「えへへ。今日は調子が良かっただけだよ」

友人から褒められて照れながらも、梨里は満足そうな笑みを見せる。
「今日のMVPは影野梨里さんです!」

授業が終わる直前に、先生のそんな声が体育館内に響いていたのだった。