このままズルズルゆるい生活をせず、厳しくして正さないと。


「も……もう今日は部屋に戻りなさい。後は一人で集中したいの。あと当分はお泊りも夜のお菓子会もなし」


よし、これでいい。まずは二人を部屋に戻してから、勉強とともにこれからのあり方を考え──



「無理」
「やだー」



……っこれだよ。

私がちょっと言ったくらいではノーダメージ。
というより無効化かな。さっぱり聞きいれる気は毛頭ない感じだもの。


「……はぁ」


くったりと椅子の背もたれに体を預け、かなやいを見れば、ふざけながらも勉強はちゃんとしているし、私だけノートに文字が書かれていないのが丸わかりだった。


──あれ?この二人、なんでこんな勉強するようになったんだっけ?あんなに、威嚇する猫のような感じだったのに。

ふと思った疑問を解決しようと教科書に視線をおとす二人に声をかけた。


「ねぇ、かなやい」


「お嬢はそれで呼ぶの禁止」
「オジョーその呼び方禁止」


二人は同時に顔を上げペンを置き、同時に同じような言葉を発した。


「わ、わかったから睨まないで」


すーぐ不機嫌威嚇モードになるんだから。