小さなテーブルを二つくっつけて、秋葉さんは家庭教師のごとく慧についていて、そんな慧の隣で春夏冬がたまにうなって注意されている。

慧たちの向かい側に座る私たちは、ベッドと同じスタイルの私が真ん中。
左にいる矢絃はワイヤレスイヤホンを耳にしながら黙々とやっているし……右にいる奏矢はたまに春夏冬さんに教えたりしてニコニコと勉強している。


しかし……しかし、だ。


勉強会を始めて数分経ってからずっと──



ぺチッ。



両隣にいる、かなやいから交互にちょっかいを出され、それを合図に私はテーブルの下へ手を下ろしていた。

下ろした手はすぐに握られる。
今は、左だから矢絃。左利きだから勉強に支障はなく、いかにも普通に勉強してますって感じだけど、繋いだ手はにぎりしめたり、ゆるめたりすごい動いている……。


そんなことをしてくる矢絃を横目で見れば、

"たのしー"と口パクで返された。


──たのしーって……勉強中なのわかってんのかな本当。