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「……なぁ美青」
「なに?」

「ついこの前、バイオリンのテストと地獄の中間テストをわたしは乗り越えたはずだよな?」
「そうね」

「なのに……なんでまたテスト勉強しないといけないんだ!!」


思い切り立ち上がりテーブルを叩く慧は、頭をかきむしる。


「夏休み前の期末があるから。例年通り、赤点者は夏休み最初の週に追試ね」
「……夏休みに学園で追試も地獄だぞ?」
「じゃあ勉強しないと」
「う……!」


勉強、テストというワードに胸をおさえ慧はうなだれる。
気持ちは、わからないわけではないけどね。
同じような日々を繰り返しているうちに、この前終わったはずのテストがまたやってきたんだから。

でも今回は夏休み間近ということで、乗り切ってやろうって言う気持ちが大きいからモチベーションが保たれてる。


「……慧お嬢様、騒いでいては一条様のご迷惑になりますよ。ただでさえお部屋をお借りして、皆で勉強させていただいているのですから」


そう。

秋葉さんの言う通り、私の部屋にテーブルや椅子を持ってきて、勉強会……主に慧のための勉強会をしている。