「……ダンスのせいね。言葉遣いに関しては、TPOに合わせてちゃんと使い分けないと」
「それは分かってはいるんだけどなぁ……おっと」
キリが良いのか悪いのか、チャイムが鳴ると慧は立ち上がり手を振って席へ戻っていった。
それに軽く手を上げこたえると、早くも先生がお出まし。
「皆さん、ごきげんよう」
毎日お決まりの挨拶から、一日が始まる。
今日の流れやら行事の話を受け流しながら、私は今しがた慧に言われたことを思い出していた。
『一年生の時から、学園の四天王の立場守ってるんだし?』って言葉を。
──四天王……か。
いつの間にかそう呼ばれていた。私自身、決してなりたくてなったわけではないのに。
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午前中は普通教科の授業を受け、いつも通り慧との休み時間を過ごし、むかえた昼休み。
私たちは食堂でシェフの日替わりランチを食べていた。
「いやぁ、ここの肉は本当うま……美味デスワネー」



