不意に慧が立ち止まり、後ろを歩いていた春夏冬さんが慧の背中に顔面直撃。
鼻が……と、言いながら『ごめんなさい!申し訳ありませんー!』と回り込んで平謝り。

慧は勢いよく謝る春夏冬さんの肩を掴む。


「ぎゃあ!申し訳ありま──」

「……どうしよう春夏冬!わたしまたD評価になっちまう!」
「……へ?」


怒られるのかと思ったのか、春夏冬さんは目を丸くした。
少し視線をずらせば、秋葉さんはもう項垂れていて、ゆっくりと私の方へ歩いてくる。


「……一条様」


私に口許をおさえ小声で話す秋葉さん。
何を言われるのか大方分かってるけど、一応体を秋葉さんの方へ傾けた。


「ご存知の通り、お嬢様の評価はDです。私たちも出来るは出来るのですが……一条様からご指南いただきたく……」


……ドンピシャ。