一瞬で顔をしかめる慧。
秋葉さんもうーん、と眉を寄せた。


「失礼ながら一条様、慧お嬢様は……ちょっと」

「分かってるよ秋葉さん。慧は何を飲んでも同じだ!って言うのは。ただ……授業でこの紅茶は何かと言われて、全問不正解した記録をいつまでも更新し続けさせるわけにいかないでしょ?」

「……慧お嬢様そうだったんですか!?」

「うるさいぞー春夏冬」

「も、申し訳ありません!」


垂直のお辞儀をする春夏冬さん。その隣で"確かに……"と呟く秋葉さん。
そしてその二人のお嬢様である慧は、紅茶を見つめ、飲んだ。

しかも一気飲み……それじゃ香りも味も……


「んー!……わからない!おかわり!」


でしょうね。
ティーカップを執事たちへ差し出す慧。
顔をそらしため息をつく秋葉さん。

慌ててティーカップを受け取る春夏冬さん。


「しょ、少々お待ちっ……あ!!」