なんて、そんなことをぼんやり考えていれば──

見えてきた人の数にまた憂鬱な日が始まるのかと、門の前に停車した車の窓から校舎を見つめた。

もう、私たちの車を覚えてしまっている子達は小走りしたり、逆に足を止めたりするのが窓から見える。
こうして行きも帰りも幾つもの視線が向けられることには慣れたけど……。


「居たわっほら!」
「今日も麗しい……」
「貴方も見習ってほしいわ」


車をおりれば、その視線は一層集まってくる。


「美青お嬢様、足元お気をつけ下さい」

「……ん」

「ドア……閉めますね」



私──



ではなく、私の二人の執事へ。