二人が戻ってくる前に、私は急ぎ足で佐藤の部屋を尋ねた。 促された椅子に座ることへ断りを入れ、ドアの前で話し合う。 『先ほど、旦那様にもお話はしてきましたが、まずはお二方の気持ちを尊重しようということになり……』 『……そう。でもきっと、私たちが思ってることと、あの二人が思ってることは同じような気がするけど』 それでも、こちらの気持ちを強要するわけにはいかない。当たり前の順序だ。 『ならそろそろ戻ってくるはずの二人のもとに行って、早々に答えをもらいましょ』