「ははっ……なぁお嬢、これからどんどん知ってくと思うけど、俺……重いぜ?自分で言うのもなんだけどさ。本当に俺──」
「……え?」
「……重いけどいいの?お嬢サマ」
そう尋ねてくるわりには、全然不安そうじゃない。むしろ、私の返事を楽しみにしている顔だ。
「俺、他の男もそうだけど、お嬢が矢絃や佐藤さんを見てるだけでも、結構な嫉妬心やらなにやらメラメラわいてるしよ。今は抑えてても、俺だけ見てろ、ってお嬢に噛みついて離れなくなるぜ?そのうち」
重い……そう言われても、疎い私は正直ピンときていない。けれど、あの雨の日から一緒にいて、お互いの性格は分かりきっている。
それに……私が心から好きって思える人なんだから。
「……愚問よ」
「え?」
「だって……ずっと、五年以上ほとんど毎日のように顔を合わせていたんだもの。今更よ、そんなこと」
重い、の意味は後から調べるとして。それでも私は奏矢と居たい。
けど、奏矢の中にわずかな心配があったのか大きく目を見開くも、すぐに余裕ある笑みを浮かべた。
「あっそ。なら、お嬢は俺の……俺だけの感触を覚えとけ」
いいな──
うん、と小さな私の返事に頷き、
奏矢は甘くて優しい笑みを浮かべ、
少し強引なキスを落とした。
Fin──✧*✧*✧



