重いけどいいの?お嬢サマ





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ガチャン──

ノックなしに開けしめされたドア。
やって来たのは奏矢だった。


「どうしたの?」


今日はお菓子パーティーではない。

それに、執事たちは平日は朝と夜、休日は昼と夜に分かれ、決まった時間に雪かきをしている。
その疲れから矢絃もぐっすりらしく。秋葉さんたちも疲れが溜まっているはずなのに。
他の皆が寝る準備、もしくは寝ているであろう日付が変わりそうな時間に奏矢は部屋へやって来た。


「今のうちなんか食っとけって。もっと積もるだろうって、鈍臭執事と夜中も雪かきすっから。つか、雪降りすぎじゃね?たまったもんじゃねぇよ。学園でも寮でもだぜ?」


と、文句を言いながら奏矢はテーブルに大きくいびつなおにぎりを置いた。

お嬢様に仕えながらだから、都合の悪い執事たちもいて、主に奏矢と春夏冬さんが融通をきかせられるよう、入れないという執事の代わりの時間に入っていた。

だから矢絃や秋葉さんとはバラバラになったり。

にしても、夜中までやるなんて。


「私もやろうか?」
「んなことさせられねぇよ。暗いし滑ったりしたらあぶねぇから。大人しく待っとけ」


立ったままおにぎりを頬張る奏矢のそばに行けば、小ぶりなおにぎりひとつだけだった。


「でも……って、おにぎりはそれだけ?」

「ん?夜食っつーことで、楽だろ?手は汚れねぇし、中にから揚げぶち込んできたしな」


中々の労働に、おにぎり一つなんて足りるのかしら。とは言え、私が何かあげれるのはクッキーくらいしかない。