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「……慧らしい」
寮の庭に積もる雪。
毎日のように溜まっていく雪に、慧は初めて雪を見たみたいにはしゃぎ、休日は昼も夜も関係なく作り、日に日に雪だるまを増やしていっている。
その姿を部屋の窓を少し開けて私は見ていた。
雪合戦はやだけど、雪だるまなら……と慧たちに矢絃も混ざったりして、大量製作されていくのが面白い。奏矢や秋葉さんが雪かきをするために行けば、その雪を片っ端から使っているから、雪消費組とかき集め組の謎の勝負が……。
──慧……楽しそう。春夏冬さんと雪だるま作っているだけで、こっちにも幸せな気持ちが伝わってくる。
卒業まで慧の気持ちがゆっくり伝わって、春夏冬さんといい感じになれたらいいな……。
秋葉さんも本当に違和感なくアシストしてくれたりしてるのが垣間見えるから、私の心の中はグッジョブ、って感じ。
『みーおー!見てくれ、特大!』
「ん?……あ、ほんとだ」
出来たできた、と外から聞こえる慧の声にピントを合わせれば、ひときわ大きな雪だるまが。
『……見てオジョー、しもやけー』
『大きく出来ました!』
慧と同じように、矢絃と春夏冬さんがこちらに手を振っている。
『お嬢、もう少し窓閉めとけよ?風邪引くぞ』
私の真下では、奏矢がスコップに顎を乗せる奏矢がし・め・ろ、とゼスチャーしてきた。
私は寒いから行かないけど、少し窓を閉め時折手を振られれば、振り返し眺めるのを楽しんでいた。



