小さなミニテーブルを引っ張ってきて、トレーを乗せようとしたところで、どちらかの腹の虫が盛大に鳴った。
ぴたりと動きを止め、彼らを見れば……


『……ごめん。鳴った』


口の悪い方の子ではない、男の子の方が静かに自己申告。


──体は正直だものね。


『はぁ……それ、なにも入れてねぇだろうな……』


それ、とスープを指し眉を寄せられ、つい今の出来事に顔が緩む。


『そんなことしないって』


再度トレーを手に二人のもとへしゃがめば、各々スープの器に手を伸ばした。


『なに笑ってんだよ……なら毒味しろ』

『えっ、んぐっ……!?』

『あ……強引』