「でもとりあえず、話すにしても奏矢は布団に入って?」
「……ああ」
横になる奏矢に布団をかければ、ポンポンとそばに座るよう促され、私はすぐそばに腰かけた。
「その、なんつーか……病院とか薬のこととか我儘言ったのは、悪かった」
……珍しい。
風邪のせいなのか、こんな素直に謝ってくるなんて。ちょっとした言い合いでも、中々折れないのに。
「それは……ちょっと悲しかったけど、そう言ってくれてよかった。もう気にしてないよ。ありがと」
「ありがとって、なんのありがとうだよ」
「謝ってくれて、のありがと?」
「あっそ……」
そっぽを向かれてしまうけど、今は切ない気持ちにはならない。
これ──
今なら聞ける?
……奏矢から話したいと部屋に入れてくれたんだもの。奏矢が話したいこと、話す前に悪いけど聞いてしまいたい。
「ねぇ奏矢……なに、抱えてるの?」
布団の上に出された手にそっと触れて、超えられない壁ってなに?──私がそう口にすれば、奏矢は目を見開いた。
薄暗い中でも丸々と綺麗な瞳が揺れる。
「……佐藤さんか」
「ごめんなさい。佐藤に無理矢理聞いたの。私が悪い」
「別に、怒ってねぇよ……」



