──昨日のいつから、っていうのは正確には分からないけど……少なくとも、昨日の夜から彼らは何も口にしていない。

食欲がわかないのは理解しているつもり。
でも連れてきた以上、空腹のままほうっておくわけにはいかなくて。


『……何も食べないと体に毒だよ』


また朝から何も話そうとはしない二人へ、
作ってもらったスープを二つ、トレーに乗せて差し出す。
いい匂いで、一口でもいいから食べる気が起きればいいのだけど……


『……いらねぇよ』


やっと聞けた声が、掠れた断りの言葉。

でもそう言われると、頭では分かっていたから大丈夫。めげない。


『一応ここに置いておくから、食べれそうな時に食べ──』