「佐藤、これ……っ!」
着替えをランドリールームに持っていってほしいのか、ぐちゃぐちゃに丸めた服が奏矢の手に握られていた。
しかし、私の顔を見るなり驚いた様子で慌てて佐藤に服を押し付け扉が閉められる。
──え?
明らかに私を見て、急いで閉めた。
目、合ってすぐ。
……嫌だは通用しない、なんて言っちゃったから?
ドヨンと落ち込む私に、佐藤は何故か笑みを浮かべて肩を叩く。
「大丈夫ですよ。情けないところなんて、見せたくないのが男というものでしょう」
「……そういうもの?」
「そういうものです」
「なんで佐藤はどこか嬉しそうなの?」
「ん?そうでしたか?ははっ、年寄りになると大体のことが微笑ましく見えるもので。……では、私はランドリールームに行って参ります」
佐藤は奏矢が見せたくないだけ、って言うけど……本当にそうなのか、不安だ。
でも部屋に入るのも気が引けて。
奏矢にはおやすみとメッセージだけ送って、今日は休むことにした。



