重いけどいいの?お嬢サマ



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病院に行って、ちゃんと薬をもらって、ただの風邪だと診断してもらってから、家へ。


またも予定を変えてしまったため、連絡はしたけど改めて佐藤には謝罪をした。

佐藤は気にしないでと言って、奏矢のために水やタオルを運んでくれて。
治るまでは奏矢と矢絃は別室に。

矢絃はすでに綺麗に飾られたクリスマスツリーをアレンジし始めた。だからさりげなくそばに行って、奏矢のことをきくことに。


「ねぇ矢絃、奏矢の悩みのタネはなんなの?」

「……教えない」


オーナメントを手に矢絃は固まり、少し迷ったのち首を振った。
オレから言うもんじゃない、と。

だからしつこくは聞けなくて、奏矢も休んでいるだろうから、実家に戻れたことを慧に連絡しておこうと一度部屋に戻った。






──夜、奏矢不在の食事を済ませ、薬をちゃんと飲んでいるのか気がかりだった私は、奏矢の様子を見に行こうと部屋へ向かっていた。


タイミング良く、部屋から出てきた佐藤と出くわし、奏矢の様子を聞けば、佐藤は困ったように笑う。


「薬が用量通り減っていなくて、注意したところです」

「やっぱり?寮でも飲んでくれなくて」

「矢絃もですが、高熱を出すような風邪を引いてこなかったからか、薬には苦手意識があるようで」

「……薬、無縁だものね。熱は?」

「お嬢様が仰っていた数値よりわずかには下がってました。ですのできちんと──」


佐藤が話している最中、真横の扉が開いた。