重いけどいいの?お嬢サマ



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警備員の人にはわけを話し、寮に戻ってすぐ奏矢を私のベッドへと寝かせた。
矢絃に着替えをお願いして。

寮に備えてある医務室には行きたくないと言われ、執事側の部屋だと私が様子を見に行けないこともあって、私の部屋に。私は慧の部屋で泊まることも出来るから。



「はぁ……っ」


もともと持ってきた薬箱から、色々と取り出し奏矢のそばに置く。
その間にもう一度測ってもらっていた体温計の音が鳴り、預かれば……


「……三八度二分。変わらないわ」


先ほど見せてもらった数値と一緒。


「急にふらふらってしてたから、大丈夫奏矢?」
「ただの風邪だろ。俺はいいから、お嬢はうつんないようになるべく部屋に戻って来んな。矢絃もだ、俺がこんなんだと執事ひとりになるんだ。うつんないようにしとけ」

「……がってんのすけ」


矢絃はマスク装備になり、持ってきた奏矢の着替えをそばに置いたりしてくれてるも、来るな、なんてできっこない。


「病院も医務室もいやだって言うし、ご飯だって食べなきゃ薬飲めないでしょ。もし、明日まで少しでも下がらないなら病院行くからね」


水枕を頭の後ろに置きながら、拒否権はないと許さないと視線でうったえれば、またも奏矢はそらす。


「オジョー、とりあえずゼリーとか着替え置いたし、薬だって飲める。オレたちは一回出よう」

「……ええ」


そうしろ……と掠れた声で奏矢に言われ、私たちはひとまず部屋を出ることにした。