「どうせただ遅いか早いかの違いでバレるんだし。オジョーなら、先に言って欲しかったって思うはずじゃん」
その通り。
奏矢が言うなって止めても、矢絃が伝えてくれたことはありがたいって思う。
後から実は……なんて知らせるのは嫌だから。
矢絃にありがとうと意味で肩を叩いていれば、カーテンの隙間から手招きされ、私は奏矢を測った体温計を先生から見せられると、その数値に驚いた。
──すごく、高い。
ちょっとふらついた、なんてもんじゃない。
「臨時の車を手配してるから……九重くんに一条さんたちも付き添いで早退ってことでいいのね?」
「はい、お願いします。矢絃、奏矢の荷物は?」
「そっちに置いてあるよ」
指を差したソファに、鞄が二つ見える。
「分かった。なら、まっすぐ病院に行っ──」
「行かねぇ」
そう言って起き上がる奏矢。額のタオルが布団へと落ちていく。
「行かねぇって、ちゃんと診てもらわないと」
「……絶対、行かねぇ」
なんでこうも頑なに嫌がるのか、どうやったら行ってくれるのか、考えていれば矢絃が大きな溜め息をついた。
「奏矢、オジョーも来てくれたんだから行けよ病院」
矢絃も病院に行けと言うも、眉を寄せた奏矢にふいっと顔をそらされ、後ろから車が来たと伝えられて、仕方なく寮へ戻ることに。



