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奏矢の悩みの種が分からないまま、冬休み前日を迎え、朝から教室ではクリスマスだなんだと浮かれる話題か飛び交うも全く興味をそそられない。
「今年ももうちょいだな。なぁ、美青。弟くんとは変わらずやれているようだけど、兄とはどうなんだ?」
朝のホームルームが始まるギリギリで、慧は私のもとへ来て奏矢とのことを聞いてきた。
「どうって……特に何もしていないから、何も変わってないけど。慧は?春夏冬さんとはどうなの?」
「……わたしも変わらずだ」
そう簡単に変えられるわけないものね。相手が相手なだけに。
「だから、春夏冬のタイプや色んなことを冬休みに聞き出す作戦だ」
「それくらいなら、自然と話してれば聞けそうね。春夏冬さんは話してくれそうだし」
「清楚、とか言われたらもうそっこうで美青に抱きつきに行くからな」
「清楚になればいいのよ?」
「無理だろ?わたしだぞ?」
そればかりは本当に無理、と言い張り首を振る慧。
同じように私がタイプを奏矢に聞いたら、奏矢は教えてくれるのかな。
……悩みのひとつ、相談してもらえないのに。
「はい、皆さん席について下さい」
教室に入ってきた先生により、席につこうと慧や他の子が慌て出すと、廊下から走ってくる足音が聞こえた。
こんなに走ったら怒られるのに誰かな、なんて思えば……
「矢絃?」



