ずっと雨に濡れながら話すわけには行かず、なんとか二人をタオルで覆って車に乗せると、そのまま何も話さなくなった二人をそのまま家に連れ帰ることに。


全員ずぶ濡れ姿に、他の給仕たちは驚きながらも忙しなく動いてくれて。


『先に彼らを。私は後でいいから。佐藤も一度温まって』

『ですが……お嬢様を差し置いて執事が──』

『いいの。お願いしたいこともあるから、済ませて来てくれたら助かります』

『……承知致しました』


その後、私も一度シャワーを浴び着替えを済ませ、大人しくお風呂に入ったという二人を私の部屋に連れてきてもらった。


だけど、二人が座ったのは部屋の隅。
椅子を用意していたのに、床に二人並んで座ったのだ。

……少しばかり予想外だったけど、彼らがそうしたいなら私から歩み寄ればいいだけの話。